さみしい
暗くなると自動で部屋の灯りがつきます。
朝から変わらず、私は丸くなっていました。明るいのに、私はケージの奥に頭を押し込めるようにじっとしていました。
部屋の扉が開いて、飼い主さんが帰ってきました。がちゃりとケージの扉も開けてくれます。
「おいで、マコト」
飼い主さんが呼びました。飼い主さんの膝に鼻をこすりつけるようにして、匂いをかぎました。
「なんだ。さみしかったのか」
飼い主さんは私の頬を両手で包んで言いました。
さみしい?
私は飼い主さんが居なくてさみしかったのか。
同じようにケージにいたあの頃には感じたことのない気持ちでした。
「ただいま」
飼い主さんは私を抱き締めて、そう言いました。
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