脱走ワンコ

脱走常習ワンコのブログ

さみしい

暗くなると自動で部屋の灯りがつきます。

朝から変わらず、私は丸くなっていました。明るいのに、私はケージの奥に頭を押し込めるようにじっとしていました。

部屋の扉が開いて、飼い主さんが帰ってきました。がちゃりとケージの扉も開けてくれます。


「おいで、マコト」


飼い主さんが呼びました。飼い主さんの膝に鼻をこすりつけるようにして、匂いをかぎました。


「なんだ。さみしかったのか」


飼い主さんは私の頬を両手で包んで言いました。

さみしい?

私は飼い主さんが居なくてさみしかったのか。

同じようにケージにいたあの頃には感じたことのない気持ちでした。

「ただいま」

飼い主さんは私を抱き締めて、そう言いました。

ライブカメラ

翌朝、飼い主さんは、私にシッポをつけたままケージに戻しました。

「おりこうにしてろよ」

今日はスーツ姿なので、飼い主さんはお仕事です。

ドアが閉まりました。

飼い主さんがいない昼間、ケージの中で飼い主さんを想います。ライブカメラがケージを撮していて、私の様子を飼い主さんは時折チェックしてくれているようです。

私は丸くなっていました。ライブカメラから顔が見えないように奥を向いて。飼い主さんがいない一日は退屈でした。カメラにはシッポの生えたワンコの後ろ姿しか映らないはずです。

時々お水を飲んだり、エサ皿のごはんを食べたりはしましたが、時間はゆっくりしか流れません。


ふとここに来る前のことを思い出しました。前の飼い主さんは、こんなにもお世話をする人ではなく、性処理のために飼われていただけでした。やがて飽きて放置されました。

保護施設の人に捕獲されてケージに入れられてからは、日替わりで何人かの人がもの珍し気にケージを覗きこんでいきました。保護施設といっても、暗くて排泄物にまみれた異臭のただよう場所でした。施設の人からは誉められることも撫でられることもありませんでした。私は放置されたことが悲しくて、ただうずくまることしかできませんでした。

わらい声

「盛りのついたメスにはお似合いだ」

飼い主さんはキャップを指で弾きました。身体がびくりと跳ねました。

「ほら、ちんちんしてみろ」

飼い主さんは私の前足を持って、立たせました。キャップに引っ張られるような快感でした。

「ははは」

飼い主さんは声を上げて嗤いました。

私はその姿勢のまま、飼い主さんに何度もキャップを指で弾かれました。

「毎日こうやって引き伸ばしてやるよ」

飼い主さんは乳首を摘まみ、同じように弾きます。

「ここはどうするか」

弾かれる度に姿勢が崩れ、キャップとビーズに振動が伝わります。

「洗ってやったのに、すぐ垂らす」

飼い主さんは床の水溜まりに気づきました。

「四つん這い」

飼い主さんが短く命令しました。

私はそのままバックで飼い主さんを受け入れました。

飼い主さん自身で中から押し広げられるようでした。